筆耕

式辞用紙の包み方

式辞用紙の構成

式辞は式辞用紙・封筒・たとう紙(巻紙)の3つから構成されています。まずは包み方・折り方を理解する上でそれぞれの役割と構成を確認しておきましょう。

式辞用紙

式辞用紙は式辞の本文や題目を書くための用紙です。じゃばら状に折って使用するのが特徴です。伝統的にはじゃばら和紙も言われ、和紙が使用されてきました。しかし、近年ではインクジェットプリンターにも対応したA4サイズの上質紙なども用いられるようになっています。

封筒

封筒は式辞を書いた式辞用紙を入れるのに使用します。式辞を用意するときには封筒に封はしません。封筒は奉書紙の保護と体裁を整えるのを目的として用います。封筒を使用せずに直接、式辞用紙をたとう紙で包む場合もあります。

たとう紙・巻紙

たとう紙は封筒を包むのに使用する用紙で、巻紙ともよく呼ばれています。上包みと呼ばれる包み方をするのが特徴で、たとう折り、たとう包みの一種になっています。たとう紙は奉書紙(ほうしょがみ)と呼ばれる上質な和紙を使用するのが一般的です。

上包みの包み方・折り方

式辞用紙の上包みには作法があるので正しい包み方をするのが大切です。ここでは式辞用紙の上包みの包み方を、手順を追って丁寧に紹介します。

たとう紙を表面を下側にして置く

まずはたとう紙の表面を下側にして縦長になるように置きます。奉書紙などの和紙はつるつるになっている面とざらざらの面があります。つるつるになっている方が表面です。
なお、縦長にして置いたときに横幅が式辞用紙の3倍以上あるときには、半分に折って使うタイプのたとう紙です。このときにはたとう紙を横に半分に折り畳みます。そして、たとう紙を90度回転させると、横幅がたとう紙の3倍程度になります。
もし自分で奉書紙を購入して裁断してから使用するのなら、縦幅は式辞用紙または封筒の縦幅の1.5倍~2倍強、横幅は3倍になるようにしましょう。折り畳んで2重にしたい場合には横幅を6倍にして半分に折って使います。

たとう紙を左右から約3分の1ずつ折る

次にたとう紙の左右を約3分の1ずつ折って3つ折りにします。この際に重要なポイントが3つあります。
1つ目は祝辞であれば左側を折ってから右側を折って重ねることです。弔辞では右側を折ってから左側を重ねるようにして折ります。着物と同じ考え方で、お祝い事のときには右前にするのがマナー、葬儀などの場合には左前にするのがマナーになっています。右前・左前の表現は相手から見て右側が前か左側が前かを示すので、前にしたい側を後に折って重ねます。
2つ目は余裕を持たせて折ることです。たとう紙を折った後、上包みをするときには中に式辞用紙と封筒が入ります。几帳面にぴったりと折ってしまうと、式辞要旨と封筒を包もうとしたときにきれいに包めません。たとう紙の中央部分が封筒のサイズよりも幅広くなるように折るのがポイントです。
3つ目は左右均等な3つ折りにせずに前側にする方を折ったときに5mm程度の隙間を作ることです。右前にして折るときには、たとう紙の左端の部分が縁にぴったり合うようにせず、5mm程度内側になるように折るのが包み方のルールです。左前にして折る場合には右端の部分に5mm程度の余裕を持たせます。
5mmという長さは定規でぴったりになるように測る必要はありません。少し余裕を持たせることで体裁を整えつつ、式辞用紙や封筒を包む余裕を持たせる目的だからです。5mmはあくまで目安と考えましょう。

たとう紙を上下から半分ずつ折る

左右から折ったら、次に上下からたとう紙を折って式辞用紙を包めるようにします。上下から折るときに重要なポイントは3つです。
1つ目は上下に折る方向です。左右からたとう紙を折ったら裏向きに上下に折って包むのが上包みの包み方です。裏返しにした状態で手前側に折ると簡単です。
2つ目は上下の幅の取り方に注意することです。包む対象によって違いがあるのは上下を折るときも同じです。上下を折っても折った部分が重ならないときには上下が均等になるように折る包み方が一般的なルールになっています。上端と下端が重ならないサイズのたとう紙を使用していれば慶事でも弔辞でも失敗がありません。一方、折ったときにたとう紙が少し重なってしまう場合には、慶事の場合には下側が長くなるようにします。弔辞の場合には上側が長くなるようにして折るのがルールです。
3つ目は上下から折ったたとう紙が重なる場合には慶事か弔辞かによって重ね方が違うことです。基本的に長く折った方を上側にすると考えましょう。慶事の場合には下側を長くして折るので下側を上に重ねるようにします。弔辞では上側を長くするので上側を重ねて包みます。重なるときに短い側を長い側に挿し込むことはせず、重ねるだけにするのが上包みの包み方の基本ルールです。

封筒に入れた式辞用紙を包む

最後に一度、たとう紙を開きます。式辞用紙を入れた封筒、または式辞用紙を折り目の中央部分に置きましょう。表面が上側を向くようにして置き、左右を折ってから上下を折るという順番で包みます。

式辞用紙の包み方のコツ

式辞用紙の包み方は基本的なルールを覚えてしまえば簡単ですが、頻繁に包む機会がないので忘れてしまいがちです。式辞用紙を包むときにはその都度ルールを確認しながら包んだ方が良いでしょう。ここでは特に式辞用紙の包み方で失敗しないようにするためのコツを紹介するので参考にしてください。

慶事と弔辞での包み方の違いに注意する

式辞用紙で最も注意が必要なのは慶事と弔辞で包み方が違うことです。左右の折り方も上下の折り方も違い、誤っていることに周囲が気づいたら心証が悪くなってしまうリスクがあります。式辞を述べる立場の人がマナーを守れていないのに大勢の人が気づくと雰囲気が悪くなることもあり得るので気を付けましょう。
慶事の場合には右側と下側を重ねるようにして折り、弔辞では左側と上側を重ねるようにして折ります。着物の右前、左前と合わせて覚えておくのがおすすめです。

式辞用紙を入れた封筒を当てた状態でたとう紙の折り目を付ける

たとう紙に折り目を付けた後、封筒や式辞用紙を包もうとしたら余裕がなくて包めなかったというトラブルがしばしばあります。余裕を持たせたつもりが、式辞用紙が分厚くて包めないということがあるので注意が必要です。
失敗しないためのコツは、式辞用紙を入れた封筒を当てたとう紙に折り目を付けていくことです。封筒を中心に置いて左右に目印を付けてから折り、左右の3つ折りができたら封筒を包んで上下の折り目の目印を付けるという流れにすると失敗がありません。
もし失敗してしまったら折り直しはせずに新しいたとう紙を購入して包みましょう。

式辞用紙の包み方のまとめ

式辞用紙は左右に三つ折りをした後、上下をほぼ均等な形で折って包みます。基本的な包み方がわかってしまえばそれほど難しくはありませんが、細かなルールがあるので注意が必要です。式辞用紙の包み方は慶事と弔辞で違いがあるのが最も気を付けた方が良い点でしょう。式辞用紙をきれいにルールを守って上包みをしてあると見栄えが良くなります。式辞を依頼されたときにはあらためて式辞用紙の包み方を確認して、間違えないように包みましょう。